北村桂香女流初段、出口若武五段との新婚生活語る「いつも出口君がたくさん話して、私が聞いてます…笑」

将棋の北村桂香女流初段(25)が30日、対局を終えた後、今月22日の「良い夫婦の日」に婚姻届を提出した出口若武(わかむ)五段(25)との結婚について、幸せいっぱいな思いを語った。

 春の日だまりのような笑顔が新婚の幸福を全て語っていた。「同い年ですし、私は口数が少ないタイプなんですけど、出口さんはすごくたくさん話すタイプなので波長が合ったんです。いつも出口君がたくさんしゃべって、私が聞いている感じです(笑)」

 出会いは約2年前。元奨励会三段の桝田(ますだ)悠介さん(27)が大阪市内で開いている将棋教室で指導対局の仕事を一緒にした日に意気投合した。「桝田さんと出口さんが同じ井上慶太先生(九段)の門下で、もともと交流があったんです。その日、一緒に3人で食事に行って仲良くなりました。なんだか、最初から仲良くなりたいなあ、という方でした」

 約1年前から自然と交際に発展した。「お友だち期間から自然とお付き合いに発展しましたので、まだお友達のような感じもあるんですけど、本当に何でも相談できる方です」

 既に同居しているが、練習将棋などは指さない。「実力差がありすぎて将棋にならないので…。でも、分からないことがあったら優しく教えてくれます」

 師匠の小林健二九段(64)に報告すると大感激。「ケンカした時は有利な方が一歩引くんだよ」との金言を授けられた。愛娘を駒の名前から「桂香」と命名するくらい将棋が大好きな父・伸(のぼる)さんに、出口五段とともに結婚のあいさつに赴くと大・大・大感激。「お父さんは出口君から将棋の話や将棋界の話を直接聞けたことが本当にうれしそうでした(笑)」

 コロナ禍だけに挙式などは未定。共通の趣味であるカラオケも今は自粛期間だ。「まだ結婚したばかりで実感もあまりないんですけど、ケンカしてもちゃんと仲直りできるような、あったかい家庭を築きたいです」。終始、幸福感に満ちた表情のまま語っていた。(北野 新太)

 ◆北村 桂香(きたむら・けいか)1995年11月14日、京都府宇治市生まれ。25歳。小林健二九段門下。小学1年で将棋を始める。立命館宇治高1年時の2011年、全国高校選手権女子個人の部で優勝し、関西研修会入会。13年、女流棋士デビュー。15年には女流王将戦挑戦者決定戦に進出。今期の女流名人戦予選では、現在女流王位戦五番勝負に挑戦者として出場中の山根ことみ女流二段に勝ち、女流名人リーグに初参戦している。振り飛車党。