高見のっぽさん死去 88歳 NHK「できるかな」で活躍

 NHKの工作番組「できるかな」(1970~90年)で活躍した「ノッポさん」こと高見のっぽさん(本名・高見嘉明さん)が昨年9月10日に心不全で死去していたことが10日分かった。88歳。葬儀は近親者で営んだ。

 関係者によると、のっぽさんは生前、死後半年以上は公表を控えたいという意向を示していたため、10日の誕生日に合わせて公表した。

 京都府生まれ。太平洋戦争が激しくなった小学4年生の時に一家で東京・向島から岐阜県に疎開し、終戦後の高校2年で東京に戻ると、俳優・芸人として活躍した父・嘉一さんのカバン持ちをしながら芸の修業を始めた。創成期のNHKの幼児向け番組に参加し、1967年に「なにしてあそぼう」に出演。「できるかな」では、一言もしゃべらずに工作を生み出す「ノッポさん」として出演し、相棒の着ぐるみの人形「ゴン太くん」との掛け合いで子供たちから長く親しまれた。

 また、作家として児童書やエッセーなども多数執筆。2005年には、NHK「みんなのうた」で放送された「グラスホッパー物語」で歌手デビュー。老いたバッタが他の生物のことも考えて共生する内容のこの曲はその後、ミュージカル化され、のっぽさん自身がバッタにふんして主演するとともに脚本や総合演出などもこなす大役を務めた。13年に宮沢賢治の童話を題材にした一人芝居「ぼくは賢治さんが大好き!」を上演するなど活躍の幅を広げた。09年に児童文化の向上や発展に長年尽くした人に贈られる「児童文化功労賞」(日本児童文芸家協会)を受賞。

 のっぽさんは昨年7月に毎日新聞のインタビューに応じた際、岐阜空襲に遭遇した経験や小学生時代の軍国主義教育などを振り返り、「戦争で忘れてはいけないのは、子供が大人にだまされていたこと」などと語っていた。

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