藤井王位、初防衛で喜びの声

快進撃を続ける藤井聡太王位(19)=棋聖=が、また一つ新たな記録を作った。24、25の両日、徳島市の渭水苑で行われた将棋の「お~いお茶杯第62期王位戦」(徳島新聞社など主催、伊藤園特別協賛)7番勝負の第5局で初防衛。徳島初対局での達成となった。

25日夜、会場を徳島市の徳島グランヴィリオホテルに移して行われた記者会見では「徳島の大勢の将棋ファンから熱心な応援をしていただいたおかげ。伝統ある対局会場で、力を発揮することができました」と感謝の言葉を繰り返した。

 渭水苑は、1996年の第37期王位戦以来、四半世紀にわたって利用されている聖地ともいえる対局会場。藤井王位は「序盤にリードを許すなど厳しい展開に直面したが、落ち着いて指せた。対局で徳島に来たのは初めてだが、初防衛ができた思い出の場所になった」と振り返った。

 対局会場の和室20畳は約千坪の日本庭園に面し、かつて映画「眉山」の収録で使われたほど。庭の五葉松やサルスベリが見えるとあって、藤井王位は「素晴らしい環境を整えていただき、ありがとうございました」と頭を下げた。

 藤井王位は、徳島での対戦で浮かび上がった課題を幾つか挙げた上で「豊島将之竜王との戦いはとても勉強になった。来月の叡王戦などに向けて弾みになると思う」と決意を見せた。

 勝負飯が注目されるなど、初の徳島対局へのファンの関心も大きかった。「徳島の食べ物は2日間、とても大変おいしくいただいた。これからも応援をお願いします」と話した。