藤井聡太さんの考える「将棋の神様」と人生設計とは

 ジャーナリストの池上彰さんが各界で活躍する人と対談するシリーズ第2弾。今回登場するのは将棋棋士の藤井聡太さん(18)だ。

史上最年少の14歳2カ月でプロ入り後、歴代最多の29連勝を達成するなど次々と記録を塗り替え、将棋界に旋風を巻き起こしてきた藤井さん。将棋界を席巻している人工知能(AI)への考え方や今後の目標について、池上さんが硬軟織り交ぜながら鋭く切り込んだ。

将棋の神様に比べたらAIはまだ弱い

 池上 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令後、自宅でひたすら研究していたそうですね。

藤井 昨年4、5月は対局がない状況が続きましたが、スケジュールに拘束されず将棋の研究や勉強ができて有意義な時間になりました。

 池上 具体的にはどんなことをするのですか。

 藤井 将棋ソフトを使って中盤や終盤の戦い方を検討し、自分が考えた判断と照らし合わせることをやっています。パソコンの性能がいいと1秒間に読める局面の数が多くなるので、それだけ正確な判断が可能で効率よく学習ができます。

しかし今の将棋ソフトはすごく強いですが、示す手が唯一解ということはまったくありません。その点に留意して、自分でしっかりと解釈していく必要があるかなと思います。