さらば「聖の青春」 将棋ファンの聖地「更科食堂」 22年2月に閉店

「怪童丸」の異名を持ち、29歳で早世した将棋の村山聖(さとし)九段が通い、今では将棋ファンの聖地の一つとなっている大阪市福島区の食堂「更科(さらしな)」が、50年間掲げてきたのれんを下ろすことになった。JR東海道線支線の地下化工事に伴う立ち退きを機に決断し、2022年2月に店を閉める。近くにある関西将棋会館も、老朽化のため23年度中に大阪府高槻市へ移転する計画で、かいわいで青春時代を送った棋士たちからは惜しみながらもねぎらう声が聞かれた。その更科食堂。店主自慢の「昭和の職人技」が将棋会館の建設にも一役買っていた。

線路の地下化で立ち退き、50年の歴史に幕

更科食堂
更科食堂

 店はJR大阪環状線福島駅高架下の飲食街「OK壱番街」の一角にある。客が20人も入ればギュウギュウの小さな店構えで、定食や丼物に加え、おでんや酒のさかなに絶好の一品が並んでいる。