海の向こうからの手紙

二階堂 様
いつも楽しく拝見しております。

面白い記事を見つけましたので、ご紹介します。
文春オンライン「日本経済SOS 最後のチャンスを逃すな」より抜粋
news.yahoo.co.jp/articles/bc382b23fecfd3f6deb3ce57c3a9849b6a4be1cf

まず、私の認識ではジム・ロジャーズはかなりの親中です。そして(自分だけの利益を出す)投資家として超一流ですが、アナリストまたは情報提供者としては詐欺師レベルです。自身の利益のためには、情報操作によって周囲が不利益を被っても問題ないと考えています。この思考そのものは、弱肉強食の情報社会における当然の思考回路なので、そこは問題ではないかもしれません。しかし、そうと知らない人間にとっては、成功者が好意で金言を話してくれているように見えます。そこに付けこみ、8割程度の真実と2割の作為的な情報操作によって、自身に都合のよい状況を作ろうとするのが彼のアナリスト活動の本質です。

この手法は詐欺師の常套手段と言えますが、情報操作に気付きさえすれば、彼の主張の逆張りをすれば良いだけなので、時としては非常に役に立ちます。しかし今回の記事は、8割の情報操作と2割の真実というさすがにバカにしすぎじゃね?ぐらいの内容でした。それを踏まえて、記事を読むとあまりにあからさまなだったので、今回ご紹介した方が良いと思いました。

冒頭
ステレオタイプ的な日本財務省の主義主張を完全踏襲しています。成功者が財務省は正しいと後押しをしているようです。ジムと財務省関係者との間に何らかの関係性すら透けて見えるようです。

円安
今回の円安は、日米の金融政策差によるITを駆使した投機的な円売りが発生しているためです。政策差が生じた段階で円安は誰もが予想できたはずです。資産防衛のためにドルを買っておけばよいだけの話。一方、ジムは関連して日銀が国債を無制限で買い入れることを問題視していますが、日本においてはこれは問題にはならないのは常識です。
※日銀が国債を無制限で買い入れることは、彼にとって都合が悪いのでしょう。

財政出動
コロナ復興および世界不況の足音が聞こえる中、景気を支えるために財政出動するのは当たり前のことです。また、防衛予算を十分に確保し、自衛出来る国にするのも当然です。ジムは財政赤字を理由に防衛費、無駄な公共事業問題視しています。コロナ利権や現金配布ばかりに財政出動するのは問題ですが、公共事業自体は問題ではなく、緊縮財政の方がよほど問題です。
※緊縮財政が景気回復に全く役に立たないことは、歴史が証明しています。

移民
現在の問題点を少子高齢化にあると結論付け、日本に移民を推奨しようとしています。移民を受け入れて成功した国は19~20世紀のアメリカだけです。現在、移民を積極的に受け入れる国など存在せず、そもそも日本には移民など不要です。
※これは例の最終段階への布石の可能性があります。

このように、非常に興味深い記事を文春が出してきたので、堪能させてもらいました。こういう記事をノーチェック、あるいはチェックしててもそのまま掲載するあたり、文春も既に転がされたのかもしれません。もはや日本にはまともなメディアが存在しないという前提に立ち、常にリテラシーを鍛えていかねばならない、と強く感じました。