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アレックス・キマニ
グローバルリサーチ、2023 年 1 月 18 日
OilPrice.com 2023 年 1 月 16 日
ロシアによる2022年のウクライナ侵攻は、西側諸国のエネルギー市場の劇的な再編を余儀なくさせ、多くのヨーロッパ諸国がロシアのエネルギー製品からの脱却を宣言した。英国は、2022年末までにロシアからの石油と石炭の輸入を停止することを約束し、最近もロシアのガスの輸入禁止を立法化するなど、この目標の達成に成功している国の一つである。10月までに、英国のロシアからのエネルギー輸入は、わずか200万ポンドの石油を購入しただけで、石炭やガスはゼロになった。しかし、このたび、インドがロシアの石油を英国に輸入する裏口を提供し、クレムリンへの資金提供を制限しようとする同国の努力を鈍らせたという報道がなされた。英国の一部のバイヤーは、ロシアからの直接輸入を、ロシアに出資している製油所からの輸入に事実上置き換えており、それによってロシアの石油産業を間接的に支援している。
このようなサプライチェーンは英国のルールでは合法なのだが、それでも見過ごせないのは、これもプーチンの戦争に資金を提供する秘密の方法だからだ。戦争が始まる1年前までは、インドの精製業者がロシアの原油を処理することは非常に稀だった。しかし、欧州のディーゼル価格が高騰しているため、より魅力的な輸出を行い、また、ロシアが大幅な値引きを行っているため、より多くのロシア産原油を購入しているのである。
実際、ウクライナのVolodymyr Zelensky大統領の顧問であるOleg Ustenko氏は、これらの企業は「制裁体制の弱点を突いている」と述べている。
「英国は、血塗られた化石燃料が国境を越えて流れ続けることを許し、ウクライナへの支援を損なう抜け穴を塞がなければならない。彼らが処理する原油の約5バレルに1バレルがロシア産だ。現在生産しているディーゼルの大部分は、ロシア産の原油をベースにしている」と彼は言っている。
Kplerのデータでは、インド西海岸のジャムナガール製油所が2022年にロシアから輸入した原油と燃料油は215隻分と、前年の4倍であることが明らかになっている。一方、英国は開戦以来、ジャムナガルからディーゼルなどの精製品を計1000万バレル輸入しており、トラフィグラ、シェル・プルク（NYSE：SHEL）、BP Plc（NYSE： BP）、PetroChina Co. (OTCPK: PCYYF) とインドの多国籍複合企業エッサーグループが主要購入者となって2021年にその2.5倍を購入したとされます。
ブルームバーグの石油ストラテジスト、ジュリアン・リーによると、ロシアを代表するウラル山脈は、国際的なブレント原油に対して40％もの大幅なディスカウントで取引されてきた。一方、2021年のウラルはブレントに対して2.85ドルというはるかに小さなディスカウントで取引されていた。ウラルはロシアが輸出する主要なブレンドである。ブルームバーグの計算では、モスクワは毎月40億ドルのエネルギー収入を失っている可能性がある。
ロシアのLNGを輸入するヨーロッパ
しかし、プーチンの戦争マシーンに資金を提供しているのは、ヨーロッパでは英国だけではあるまい。ウクライナ戦争前の欧州のガス輸入の大部分を占めていたロシアのパイプライン・ガスの供給が途絶えた一方で、欧州がロシアのLNGを貪欲に輸入しているとの情報が入ってきた。
ロシアがウクライナに侵攻して以来、欧州はロシアのエネルギー商品からの離脱に懸命になっている。欧州連合（EU）はロシアの石炭を禁止し、2022年末までにロシアの石油の輸入をほとんど禁止する計画だ。
しかし、ロシアのガスを排除することは、ヨーロッパが期待する以上に困難であることが分かっている。ウォールストリートジャーナルは、EUのロシア産液化天然ガスの輸入が8月までの1年間で前年同期比41％増となったと見積もっている。
ロンドンに拠点を置く国際戦略研究所のマリア・シャギナ研究員は、「ロシアのLNGは、制裁体制におけるダークホースだった」とWSJに語っている。欧州へのロシア産LNGの輸入業者は、その出荷が現在のEU制裁の対象ではなく、ロシアや他のサプライヤーからのLNG購入が欧州のエネルギー価格の抑制に役立っていると主張してきた。
3月に入ってからのEUと英国のガス輸入に占めるロシアのLNGの割合はわずか8％だが、この取引はロシアから化石燃料の収入を奪おうとするEUの取り組みに逆行するものだ。
Alex Kimani is a veteran finance writer, investor, engineer and researcher for Safehaven.com.
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