なにがなんでも「大増税」、「財務省のポチ」岸田文雄の“暴走”は止まらないのか

 国の予算を司り、全ての政策をとりまとめる「最強官庁」財務省。安倍・菅両政権で10年、頭を押さえつけられてきたその怪物が復活しつつある。国民に見放された宰相には、魂を売る他に道はない。 【写真】大蔵省の「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」いまだからウラ話を明かそう!

机をドンドン叩いて…

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 岸田さんのことを「財務省のポチ」と呼ぶ人もいるが―。  本誌記者が問うと、岸田文雄総理は顔を上気させ、机をドンドンと叩き、色をなして反論した。  「私は政調会長として1回にわたり、100兆円規模の経済対策を取りまとめました。それなのに、なぜ私が『財務省のポチ』なのか。まずは経済(ドン! )、経済成長(ドン! )のエンジンを回す。増税(ドン! )は経済を殺してしまいます。順番を間違えると、元も子もなくなってしまいますから」  ’21年9月中旬、自民党総裁選直前に行ったインタビューでの一幕だ。  それから1年半が経過した。いまの岸田総理はやっぱり「ポチ」そのものだと断じられても、文句は言えないだろう。  内閣支持率が3割を切った’22年の秋以降、総理は吹っ切れたのか、あるいは開き直ったのか、続けざまに「大増税」プランを繰り出している。  まずは、向こう5年間の防衛費を過去5年間の27兆5000億円から、その1.6倍にあたる43兆円まで一気に増額する。ついてはその財源として、所得税・法人税・たばこ税を’24年から引き上げてゆく。

「増税する俺」に酔っている

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 さらにぶち上げたのが「異次元の少子化対策」だ。児童手当や子育て支援の予算およそ6兆円を倍増させる。呼応するかのように、前自民党税調会長の甘利明氏が「(財源には)将来の消費税も含めて議論しなければならない」と述べて、世間を震撼させた。  第二次安倍晋三政権を除き、消費増税を実行した政権はすべて倒れている。’88年12月に消費税法を成立させた竹下登政権は、支持率が13%に落ち込み、翌’89年6月に総辞職した。’97年4月に消費税率を5%に引き上げた橋本龍太郎政権も、そこから支持率が急降下し、翌年夏の参院選で大敗、政権の座を逐われた。  もちろん岸田総理も、こうした歴史を知らないはずはない。だが総理官邸にも出入りする、学識経験者のひとりは言う。  「いまの岸田総理は、目が据わっている。『皆は批判するだろうが、俺はやる。たとえ国民が嫌がっても、必要な政策は実行する宰相になるんだ』という美学というか、一種の自己陶酔を感じます。  その自己陶酔は、財務省の官僚たちから滲み出ているものと同質です」  岸田総理はもはや、自らが「ポチ」であることを隠そうとさえしなくなった。それは総理が骨の髄まで、財務省に「調教」されきっていることの証にほかならない。