なぜ依存症に?
記者会見に臨むドジャースの大谷翔平選手(右)と通訳を務めていた水原一平氏=ソウル市内で16日、坂口裕彦撮影
記者会見に臨むドジャースの大谷翔平選手(右)と通訳を務めていた水原一平氏=ソウル市内で16日、坂口裕彦撮影

 14~20日はギャンブル等依存症問題啓発週間。米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平被告による不正送金事件で改めて注目されているが、国内でもギャンブル依存の疑いがある人は成人の2%超に上るとの調査結果もある。人ごとではない依存症の怖さを当事者と専門家に聞いた。

「負けた分を取り戻す」借金は2000万に

 「陥った心理状況は理解できる」。米西部時間14日(日本時間15日)にカリフォルニア州ロサンゼルスの連邦地裁で訴追内容の認否に臨んだ水原被告。ギャンブル依存症と診断された経験がある関東地方の40代の男性会社員はそう語った。

 高校時代にパチンコを始めた男性は、社会人になって外国為替証拠金取引(FX)にのめり込んだ。10年ほどで約300万円の借金を背負ったが、負債の存在は妻にも隠していた。

 「何とかチャラにしたい」。そう思っていたところ、スマートフォンで手軽に金銭を賭けることができる海外のオンラインカジノを見つけた。日本から接続して行えば賭博罪に問われ、罰則は50万円以下の罰金または科料。常習性があれば…