いかにして日本はコロナを克服したか

■ウイルスが自滅?
ただし、新規感染者が急減したのは、日本だけではない。インド、インドネシア、バングラデシュ、中南米などもピーク時と比べると大幅に減った。「週刊現代」によると、ケニアでも感染者数が激減している。国民のワクチン接種率が約3%であることを踏まえると、ワクチンの効果である可能性は極めて低い、と同誌は指摘する。
そこで、このところ注目されている理由が、もう一つある。デルタ株に内在する特性によるものではないか、という見方だ。一種の「内部原因」説だ。

■「複合効果」説
NHKによると、政府分科会の尾身茂会長は9月28日、以下のような理由を挙げている。
▽連休やお盆休みなど、感染拡大につながる要素が集中する時期が過ぎ、拡大の要素がなくなった。
▽医療が危機的な状態となったことが広く伝わって、危機感が共有された。
▽感染が広がりやすい夜間の繁華街の人出が減少した。
▽ワクチンの接種が進み、高齢者だけでなく若い世代でも感染が減少した。
▽気温や雨など、天候の影響があった。