【速報】ファイザーワクチン、ジブラルタルで53人死亡 「虐殺」との声も上がる事態に

英領ジブラルタルで、ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの摂取から10日以内に53人が死亡、「虐殺」との声も上がっている。

 スペインニュース「The Olive Press」(1月26日付)によると、ジブラルタルでは人口約3.3万人のうち、3分の1にあたる1万人超がすでにファイザー社の第一回目のワクチン接種を完了しているという。

 だが、このワクチン接種後から死亡者が続出するようになったというのだ。「Health Impact News」(1月24日付)によると、ワクチン接種開始前の死亡者はわずか19人に過ぎなかった。しかし、80代以上を中心にワクチン接種後の死亡が相次いでいるというのだ。

 これに対し、「虐殺」だとワクチンが死亡原因だと非難する声も上がっているが、当局はワクチンではなく新型コロナウイルスに感染したことが死亡の原因だと発表している。

 ただノルウェーでもファイザー社製のワクチンを接種後に25人が死亡し、保健当局が基礎疾患を持つ高齢者の接種は危険だと警告を発した。(Business Insider1月20日付

 これに対して22日、WHO(世界保健機構)は、「ワクチンが高齢者の死亡の一因となった証拠はない」と発表し、ファイザー社製ワクチンの安全性を訴えた。(ブルームバーグ1月23日付

大きな利益のためには小さな犠牲に目を瞑れというわけだが、本当に小さな犠牲であるかも怪しいところだ。昨年、韓国ではインフルエンザワクチン接種後の死亡申告件数が大幅に増加し、83人が死亡したと報じられた。後の調査で全員が基礎疾患もしくはインフルエンザ以外の原因で死亡したと結論づけられたものの、たとえ本当にインフルエンザワクチンが直接の死因になっていたとしても、1708万という膨大な接種件数に対して83件の死亡例である。一方、ジブラルタルではせいぜい1万の接種件数に対して53人、ノルウェーでは3万超の接種件数に対して29人が死亡した。新型コロナウイルスワクチンの場合、高齢者が優先的に接種を受けているため、ワクチンとは無関係に接種者の死亡率が高く出る傾向にあるとは考えられるが、ノルウェーの保健当局が警告しているように、基礎疾患のある高齢者への接種は慎重な判断で行われるべきかもしれない。

 日本でも早ければ2月下旬からジブラルタルやノルウェーで使用されたものと同じファイザーのワクチンの接種が開始される予定だ。高齢者の接種優先順位は医療従事者に続いて2番目となっており、初期の段階で接種が始まるが、政府は、ノルウェーなど日本に先行してワクチン接種が始まった国の状況を考慮して、接種方針を検討するのだろうか、それとも“切り捨て”ていくのだろうか? 今後の対応に注目していきたい。