【自民新執行部「論功行賞」色濃く】

自民新執行部、「論功行賞」色濃く 7日午後、公明と連立協議

10/7(火) 11:08配信68

総務会後に笑顔で手を取り合う(左から)古屋圭司氏、有村治子氏、麻生太郎氏、高市早苗氏、鈴木俊一氏、小林鷹之氏=自民党本部で2025年10月7日午前10時20分、吉田航太撮影

 自民党は7日午前、党本部で臨時総務会を開き、高市早苗総裁(64)の新体制が発足した。幹事長に鈴木俊一総務会長(72)、政調会長に小林鷹之元経済安全保障担当相(50)、総務会長に有村治子元女性活躍担当相(55)、選対委員長に古屋圭司元拉致問題担当相(72)を充てた。高市氏を支援した麻生太郎元首相(85)が率いる麻生派から党四役に2人起用するなど、党内の基盤固めを重視した布陣となった。 【写真】新しい自民執行部の顔ぶれ  高市氏はあいさつで「今の暮らし、そして未来への不安をなんとか希望と夢に変えていきたい。そんな思いで一生懸命取り組むので、ご指導、お力添えを心よりお願いする」と呼びかけた。  麻生氏は副総裁に就いた。このほか、国対委員長に梶山弘志元経済産業相(69)、広報本部長に鈴木貴子元副外相(39)、組織運動本部長に新藤義孝元総務相(67)を起用。幹事長代行には派閥裏金事件に関与した旧安倍派の実力者「5人衆」の一人、萩生田光一元政調会長(62)が就任した。  総裁選の決選投票では麻生氏と茂木敏充前幹事長(70)が結束して高市氏を支持した。高市氏は人事の方針について「全員参加、全世代総力結集で臨む」としていたが、党役員のほとんどが麻生、茂木両氏に近い議員で占められており、「論功行賞」が色濃く出た人事となった。  高市氏ら新執行部は7日午後、国会内で公明党の執行部と会談し、今後の連立政権合意に向けた協議を行う。公明側は閣僚による靖国神社参拝や、一部野党を含めた新たな連立枠組みに関して、高市氏に懸念を伝えている。連立協議は数日かかる見込みで、政府・与党は15日を軸としてきた臨時国会召集を数日遅らせる検討に入った。  高市氏は臨時国会の首相指名選挙で選出されれば、直ちに組閣に入る方針だ。これまでに外相に茂木氏、官房長官に木原稔前防衛相(56)、官房副長官に衆院は尾崎正直氏(58)、参院は佐藤啓氏(46)を充てる調整を進めている。総裁選で争った小泉進次郎農相(44)、林芳正官房長官(64)もそれぞれ閣僚で処遇することを検討している。【高橋祐貴、神山恵】

臨時国会15日召集は後ろ倒し、野党が「組閣情報報道」などに不満 厳しい国会運営の気配

2025/10/7 14:07

自民党の初役員会に臨む(中央左から)鈴木俊一幹事長、高市早苗総裁、麻生太郎副総裁ら=7日午前、党本部(春名中撮影)
自民党の初役員会に臨む(中央左から)鈴木俊一幹事長、高市早苗総裁、麻生太郎副総裁ら=7日午前、党本部(春名中撮影)

自民党の党役員人事の遅れに伴い、臨時国会召集日が当初予定されていた15日から後ろ倒しになる。与野党は今後、17日召集の日程を模索するとみられるが、自公の与党内協議や自民と一部野党との連立協議次第では、召集がさらに後ろ倒しになる可能性もある。物価高対策に伴う経済対策を迅速に実施するため、早期の臨時国会召集を求めていた立憲民主党など野党からは不満が噴出している。

「15日召集というスケジュールが頭になかったといわざるを得ない」。日本維新の会の遠藤敬国対委員長は7日の野党国対委員長会談後、国会内で記者団に不満をぶちまけた。

野党側は与党に対し、早期の臨時国会召集を求めてきた。物価高に伴う経済対策やガソリンの軽減税率廃止の議論など課題が山積する中で、石破茂首相の退陣とそれに伴う新総裁選出で国政の停滞が長引かせてはならないからだ。