日本人で酒に強い体質を持っているのが縄文人系統、酒に弱い体質が弥生人系統

酒を飲める人が多い都道府県は?
都道府県別 ALDH2遺伝子型の頻度(原田勝二「飲酒様態に関与する遺伝子情報」[『日本醸造協会誌』第96巻 第4号 210-220,;2001年])

同じ日本人でも、ALDH2を持っているかどうかは地域によっても異なることがわかっています。よく「九州の人は焼酎で鍛えているからお酒が強いのでしょうね」と
言われることがあります。本当でしょうか。

下表は、筑波大学の原田勝二先生が5000人以上を対象に地域ごとにALDH2を持っている人がどれだけいるかを調べたデータです。酒どころの秋田県が1位、
鹿児島県が2位で、上位は日本の北と南の地域で占められています。酒を飲める人の多い地域が酒どころになっているようです。

ちなみに、日本の両端にお酒を飲める人が多いのは、もともと日本にいた縄文人はアルコールを分解する遺伝子を持っていたものの、渡来人である弥生人は
この遺伝子を持たない人が多く、これが瀬戸内海から近畿地方に定住したから、という説もあります。

こうした日本人の体質や、食習慣など生活スタイルに密着した焼酎。じつは、最近の研究では、脂質異常症など出来やすい血栓を溶解する効果が認められたり、
血糖値を下げる効果についての研究が進んでいます。拙著『焼酎の科学』では、こうした最新の研究内容を踏まえた“焼酎の秘密”もご紹介していますので、ぜひご一読ください。

さらに<【後編】じつはまったく「ベツモノ」だった…焼酎の「甲類」と「乙類」、意外と知らないその「違い」>では、焼酎の分類について詳しく解説しています。