教員のなり手不足解消「正直、名案はない」 盛山文科相就任会見

内閣改造から一夜明けた9月14日、新任の盛山正仁文科相は初めての記者会見に臨んだ。文科省が来年度予算の概算要求に盛り込んだ1人1台端末の更新費用について「今度要求して仮に認められると、たぶん、恒久的な制度になる。財政当局は大変厳しい対応をしてくると思う」と述べ、端末更新費用の国費負担がスキームとして恒久化するかどうかは今後の予算折衝次第という慎重な姿勢を示した。また、深刻化している教員のなり手不足については「正直、名案はない。自分は教員になって子供の未来を作っていこうと思えるような労働環境をどのように作っていくことができるか、そのお手伝いをこれからできる限りしていきたい」と、教員の労働環境の改善が必要と見方を示しつつも、すぐに教員志望者を増やすことは難しいとの認識を率直に語った。

就任会見で質疑に応じる盛山文科相
就任会見で質疑に応じる盛山文科相

 盛山文科相はまず、大臣就任の意気込みを聞かれ、「私は社会人になって運輸省、国土交通省、あるいは経済企画庁、環境省に勤務したけれども、文部科学の分野とはそれほど近くなかった。これから勉強しながら一生懸命取り組んでいきたい」と、自身のキャリアを振り返りながら答えた。

 GIGAスクール構想で小中学校に整備した1人1台端末の更新費用については、超党派の「教育における情報通信の利活用促進をめざす議員連盟」(教育ICT議連)の幹事長として、国費負担を求めてきたことを踏まえ、「文科省が8月31日に出した来年度予算の概算要求では1人1台端末を公教育の必須のツールとして着実に更新していくことを盛り込んでいる。ただ、これはあくまで要求の段階で、政府全体で来年度予算として認め、(国会で)成立していくには、まだまだこれから折衝を重ねないといけない」と現状を説明。