小渕優子選対委員長が「Dappi」の“野党誹謗会社”にカネを流し続けていた

11月10日、福島県議選終盤、現職候補者の事務所内で応援演説をする小渕優子選対委員長(50)の姿があった。さぞかし奮闘していると思いきや……。 【画像】収支報告書にはワンズ社への支出が ◆ ◆ ◆

選対委員長として“機能不全”と言われる小渕氏

選対委員長就任会見では涙ぐんだ

 小渕氏は陣営訪問前にこう伝えていたという。 「本当にプライベートとして応援に行きます。チラシを撒いて人を集めるようなことはしないで下さい。(選対委員長という肩書も)言わなくていいですから」  県連側が「そんなわけにはいかない」と最低限の聴衆を集め、事務所の中でマイクを持たせたのだが、 「小渕氏は20分程度で東京にとんぼ返りした。しかも、現地で応援したその候補者が落選。自民党は議席を減らし、単独過半数割れとなりました」(県連関係者)  政治部記者が続ける。 「選挙の顔として抜擢された小渕氏ですが、10月の衆院長崎4区補選でもほとんどマイクを持たずに隠密行動を続けていた。“ドリル事件”が蒸し返されるのを嫌がっているようですが、選対委員長として機能不全と言われています」

ワンズ社は“野党誹謗会社”だった

 そんな小渕氏だが、政治資金を巡って小誌は9月21日号で、ファミリー企業に政治資金1400万円を還流させていた問題を報道。だが、不可解なカネの流れはそれだけではない。資金管理団体「未来産業研究会」は2020年まで、都内のIT会社「ワンズクエスト」に、ホームページメンテナンス代などの名目で毎年数十万円を計上してきた。 「ワンズ社は、21年10月、立憲民主党の参院議員2人が、同社が運用する匿名アカウント『Dappi』によるTwitter(当時)の投稿で名誉を傷つけられたとして、損害賠償請求訴訟を起こした相手です。Dappiは過激な言葉で野党や左派メディアなどを誹謗していた。東京地裁は今年10月、ワンズ社の小林幸太社長の指示で業務として投稿が行われていたと認定し、計220万円の賠償を命じる判決を下しました」(同前)

 つまり、ワンズ社は自民党が有利になるように動く“野党誹謗会社”であることが司法に認められたのだ。

提訴後も契約を続けているワケ

 11月末に公開された昨年分の政治資金収支報告書を確認したところ、21年の提訴後もホームページメンテナンス代として計26万4000円を計上していたのだ。自民党関係者が囁く。 「小林氏は、党の事務方トップとして、政権を支えてきた元宿仁事務総長の親戚です。しかも、小林氏も元宿氏も群馬県出身で、群馬県が地盤の小渕氏とは“同郷”という間柄。契約を続けているのは、そうしたしがらみゆえなのか……」  群馬県に住む元宿氏の実弟によれば、小林氏は「俺のいとこの子供だ」という。そこで小林氏の自宅を訪ねると、本人が対応した。 ――小渕氏の団体から仕事を受注し続けていた? 「相手のあることですので、申し訳ございません」 ――同じ群馬県同士で小渕氏と関係が深い? 「特にそういったことはありません。通常の業務です」

小渕氏からの回答は…

 小渕氏に見解を尋ねたところ、事務所を通じて主に以下のように回答した。 「ホームページのメンテナンスにつきましては、報道を拝見し、今年10月で継続をやめております。この会社は知り合いの議員事務所の紹介でお願いしただけのことであり、会社代表者との面識はございません。  選挙区事情は様々であり、最も効果的な方法で選挙対策をしているところです。必ずしも街頭活動が効果的でない選挙区事情の場合もあり、独自の方法で奏功した選挙もありました。ただ、力及ばず結果が出なかった選挙もありますので、今後とも党勢拡大のため精進してまいります」  ドリル事件の傷から“脱皮”するのは難しいようだ。