トランプ大統領 相互関税日本に24% 一律10%関税【一覧表も】

2025年4月3日 12時51分 トランプ大統領

アメリカのトランプ大統領は2日、ホワイトハウスで演説し、貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえて自国の関税を引き上げる「相互関税」として、日本には24%の関税を課すことを明らかにしました。また、個別の関税率を示していないすべての国や地域を対象に一律で10%の関税を課すこともあわせて発表し、世界経済への大きな影響が懸念されます。

目次

目次を開く“トランプ関税”狙いは?経済政策のキーパーソンに聞くトランプ氏の狙いはどこにあるのか?今後日本に何を求めてくるのか?
トランプ政権ブレーンの一人に話を聞きました。

【演説ノーカット動画】

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250403/movie/k10014768241_202504030616_202504030617.html動画:48分29秒 日本については21分ごろから

※データ放送ではご覧になれません。

トランプ大統領は2日、ホワイトハウスで演説し、「まもなく世界中の国々に対して相互関税を導入する歴史的な大統領令に署名する。つまり、相手がわれわれに対して行うことはわれわれも相手に対して行うということだ。非常に単純な話だ。これほど単純なことはない」と述べ、貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえて自国の関税を引き上げる「相互関税」を導入する考えを明らかにしました。

ホワイトハウスによりますと、すべての国や地域を対象に基本の関税率を設定し、一律で10%を課すとしています。この措置はアメリカ東部時間の今月5日に発動するということです。

さらに、国や地域ごとに異なる税率を上乗せする形で設定し、日本については24%の関税を課すことを明らかにしました。

この理由として、アメリカにとっての非関税障壁を考慮すると、日本はアメリカに対して46%の関税を課していることに相当するためだとしています。

日本以外の国や地域では、中国に対して34%、インドに26%、EU=ヨーロッパ連合に20%などとなっていて、この措置は今月9日に発動するということです。

いずれの措置も大統領が緊急事態を宣言すれば輸入や輸出などに規制をかけることができる「IEEPA=国際緊急経済権限法」にもとづくもので、アメリカが抱える巨額の貿易赤字や国内産業の空洞化が緊急事態にあたるとしています。

カナダとメキシコは今回の措置の対象とはせず引き続き25%の関税を課す一方で、3か国の貿易協定に含まれる品目については関税を課さない特例措置を当面、継続するとしています。

日本を含めた幅広い国や地域への関税措置は、世界経済に大きな影響を与えることが懸念されます。

“報復措置取った場合 さらに関税引き上げ”

ホワイトハウスは、背景と詳細をまとめた「ファクトシート」を発表しました。

今回の関税の理由として、貿易赤字が自国の産業の空洞化やサプライチェーンの弱体化につながり、国防産業の基盤を外国の敵対勢力に依存させる結果になっていると説明しています。

アメリカが巨額の貿易赤字を抱える国や地域については、アメリカにとっての関税率や非関税障壁を踏まえ「相互関税」を個別に課し、対象とならない国や地域には一律の10%の関税が適用されるとしています。

これらの関税はトランプ大統領が貿易赤字や外国の非相互的な措置による脅威が解決されたと判断するまでは課されるとしています。

また、貿易相手国が報復措置を取った場合にはさらに関税を引き上げるとしています。

一方で、経済や国家安全保障の面でアメリカと協調した場合は関税を引き下げることが可能とするなど、各国に対応を求める形となっています。

今回の関税は、すでに25%の関税を課している鉄鋼製品とアルミニウム、3日に25%の関税が発動される自動車などには上乗せされないとしています。

カナダとメキシコをめぐっては、アメリカにフェンタニルなどの薬物がかつてない水準で流入していることなどからすでに25%の関税を発動していて、今回の関税は上乗せされません。

また、アメリカ・メキシコ・カナダの3か国の貿易協定、USMCA=「アメリカ・メキシコ・カナダ協定」に含まれる品目に関税を課さない特例措置は継続されるとしています。

ただ、薬物の流入などへの十分な対策がとられ、25%の関税が解除された場合には、協定に含まれない品目に12%の関税が課されるとしています。

主な国や地域に対する相互関税の税率

トランプ大統領が演説で示した主な国や地域に対する相互関税の税率は次のとおりです。

中国が34%、EU=ヨーロッパ連合が20%、台湾が32%、日本が24%、インドが26%、韓国が25%、インドネシアが32%、カンボジアが49%、ベトナムが46%、タイが36%、マレーシアが24%、スイスが31%、イギリスが10%、トルコが10%、エジプトが10%、サウジアラビアが10%、UAE=アラブ首長国連邦が10%などとなっています。

トランプ大統領が演説で示した国や地域別の税率の一覧には、
▼それぞれの国などがアメリカに対して課しているとする関税の税率と、
▼アメリカが今回の措置で課す相互関税の税率が並べて示されています。

このうちアメリカに対して各国が課しているとする税率には「為替操作や貿易障壁も含む」との説明が書かれています。

ただ、この一覧には詳しい算出方法は示されていません。またアメリカが課す税率には「アメリカが割引した相互関税」と書かれています。

(トランプ大統領が示した相互関税の概要リスト↓)

《トランプ大統領 演説での発言》

「アメリカ史上最も重要な日のひとつ」

アメリカのトランプ大統領は「きょうはアメリカ史上最も重要な日のひとつであると私は考える。経済的な独立の宣言であり、長年にわたって勤勉なアメリカ市民は、他国が富と力を手に入れる傍らで傍観を余儀なくされてきた。今こそ我々が繁栄する番であり、何兆ドルもの繁栄を実現し、その過程において何兆ドルもの減税と、国家債務の削減を行うことが出来る。きょうの措置によって、我々はついにアメリカを再び偉大にすることができ、かつてないほど偉大な国にすることができる」と述べました。

「長い間待ち望んでいた、解放の日だ」

トランプ大統領は相互関税について演説し「長い間待ち望んでいた、解放の日だ。2025年4月2日は、アメリカの産業が生まれ変わった日、アメリカの運命が取り戻された日、そしてアメリカを再び裕福にし始めた日として永遠に記憶されるだろう」と述べました。

自動車の追加関税を正式表明

アメリカのトランプ大統領は2日、ホワイトハウスで演説し、輸入される自動車に追加関税を課すと正式に表明しました。すべての国からの輸入車が対象で、3日から25%の関税が上乗せされることになります。

「日本はアメリカ産のコメに700%の関税」

アメリカのトランプ大統領は「われわれの友人である日本はアメリカ産のコメに700%の関税をかけている」と述べて批判しました。

「日本はとてもタフ」

アメリカのトランプ大統領は相互関税の演説で「日本はとてもタフですばらしい人たちだ。私は彼らを責めるつもりはない。彼らは賢いと思う」と述べました。

「日本では自動車の94%が日本製」

アメリカのトランプ大統領は「おそらく最もひどいのは、韓国、日本、その他多くの国々が巨大な貿易障壁の結果として課している非金銭的な制限だ。韓国においては自動車の81%が韓国製だ。日本では自動車の94%が日本製だ。トヨタはアメリカで100万台の外国製の車を販売している。一方、ゼネラルモーターズもフォードもほとんど販売をしていない。どのアメリカ企業も他国に進出することは許されていないのだ」と述べました。

そのうえで、「このような恐ろしい不均衡は、わが国の産業基盤を荒廃させ、国家の安全保障を危険にさらしてる」と述べました。

「シンゾウと取り引きをした」

アメリカのトランプ大統領は相互関税の演説で安倍元総理大臣について触れ「私はかつて彼のもとに行き『シンゾウ、われわれは何かしなければならない。貿易が公平ではない』と伝えた」と述べました。

その上で「彼はすばらしい男だ。私が何を言おうとしているか、即座に理解した。私が『われわれは何かをしなければならない』と言うと、彼は『わかっている』とこたえ、私たちは取り引きをした」と述べました。

【解説】アメリカの今後・日本への影響は?

■アメリカの今後は?(ワシントン支局 小田島記者)

Q.トランプ大統領の演説、どう受け止めましたか?
A.日本への24%関税など想定を超える内容になりました。戦後一貫して自由貿易の旗手だったアメリカにはもはや自由貿易のルールは通用せず、世界経済は歴史的な転換点を迎えたと言えます。

各国の政府関係者、金融市場関係者の間ではトランプ大統領にとって関税は“交渉のカード”で、実際には踏み込まないという“期待”もありました。しかし、きょうの演説で完全に裏切られた形です。

Q.アメリカはどうなっていくのでしょうか。
A.トランプ大統領としてはこうした強力な関税措置によって貿易赤字解消につなげ、製造業を復活させたいと考えています。これだけの強力な措置をとれば短期的には貿易赤字は縮小するかもしれません。ただ、その後の経済に深刻な打撃を与えるという見方は強いです。

欧米メディアはアメリカの金融大手ゴールドマン・サックスが演説の前に出した試算をとりあげ、アメリカが今後12か月間で景気後退に陥る確率を20%から35%に引き上げたと大きく報じました。きょうの発表はこの試算の前提をはるかに超えていて、実際の経済見通しはもっと悪化するとみられます。

トランプ政権のアメリカ第1主義、保護主義的な政策は1期目からすでに始まり、バイデン政権でも一部が継続されましたが、きょうのトランプ大統領の演説で自由貿易のルールが根底から変わったと感じます。

これだけの極端な措置は、世界各国の間で“アメリカ離れ”“脱アメリカ”を模索する動きが広がる可能性もあります。

■相互関税どうみる?(国際部 豊永デスク)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250403/movie/k10014768241_202504030636_202504030637.html

Q.主な国や地域に対する相互関税の税率、どうみますか?
A.トランプ大統領は、世界の国と地域のリストを示し、相互関税の概要を示しました。日本には24%の関税、それ以外でいうと台湾32%、インド26%、韓国25%、ベトナム46%などとなっています。

これらの国と地域はみなアメリカに対する貿易黒字、アメリカからみると貿易赤字が大きく、アメリカ政府が貿易赤字の額とこれらの国・地域がかけている関税率を分析し、それぞれ数字をはじきだしたものとみられます。リストに掲載されている国と地域は180を超えます。

公表されたホワイトハウスの資料によれば、貿易赤字を抱えている国に対して個別に相互関税を課すとして、それ以外の国には10%の基礎的な関税を課すとしています。

つまり、すべての国や地域を対象に一律で10%を課すとして、一律関税が根っこにあり、アメリカにとって貿易赤字の国は個別に相互関税を課すという2つの仕組みを明らかにした形です。資料によれば「相互関税がかからないその他の国は10%がかかる」と説明しており、この資料を読むかぎり、相互関税と一律の10%の関税は別とみられます。

そして、トランプ大統領は日本について言及しました。自動車分野については「韓国と日本、それに多くの国が巨大な貿易障壁の結果として非関税障壁を課している」としたほか「日本では自動車の94%が日本製だ。一方、ゼネラル・モーターズもフォードもほとんど販売をしていない」と不満を表明しました。

Q.今後の焦点は?
A.この相互関税と10%の一律関税は4月9日から発動されるといいます。すでに中国への関税20%や、鉄鋼・アルミニウムへの関税は発動されています。そして、3日午後1時からは、自動車関税も発動されます。

こうした関税措置が折り重なって、世界経済にどのようなマイナスがもたらされるのか正直、想像がつきません。

また、各国がこのあと報復関税を打ち出すかどうかも大きな焦点です。各国が報復関税を打ち出せば、アメリカ企業の業績が悪化し、雇用情勢が悪化、アメリカの経済も悪化する可能性もあります。

■日本への影響は?(経済部 内藤デスク)

Q.日本への影響は?
A.日本に対しては、24%の関税が課されると発表しましたが、日本にとってアメリカは最大の輸出相手国なだけに影響は大きいです。

日本からアメリカへの最大の輸出品である自動車に対しては25%の追加関税が、日本時間の3日午後から発動されますが、相互関税によって、中小企業も含め、さらに幅広い産業への影響が予想されます。

相互関税の対象となる具体的な品目はまだわかっていませんが、自動車以外のアメリカへの輸出品を見ると、建設用機械や鉱山で使う機械、光学機器、半導体製造装置なども多く輸出されています。また最近では、食品や農水産物の輸出も伸びてきています。相互関税によって、こうした品目にも影響が及ぶ可能性があります。

自動車関税の影響については、日本のGDPが0.2%程度押し下げられるという民間の試算もあります。去年1年間の実質GDPの伸び率は0.1%なので、自動車関税による押し下げは1年間の経済成長を帳消しにしてしまうほどの影響の大きさです。今回、相互関税も課されることで、日本経済にとってさらに大きな打撃となることも予想されます。

これまで、日本が輸入品に課している関税は、専門家の間でも他の国や地域に比べて低いという見方がありましたが、今回、トランプ大統領が、非関税障壁などを含めると46%の関税に相当すると指摘したのは、想定外と言えます。政府は、今後、この46%の根拠を詳細に分析し、アメリカとの交渉に臨んでいくことになります。

Q.マーケットへの影響は?
A.トランプ大統領の発言後、日経平均株価の先物も、大きく急落しました。外国為替市場でも、アメリカの景気にも影響が及ぶとの見方から、アメリカの長期金利が低下してドルが売る動きが強まり、大きく円高に振れました。このあと開かれる、東京株式市場での値動きが、注目されます。

【日本からアメリカへの輸出データ】

財務省の貿易統計によりますと、日本からアメリカへの去年1年間の輸出総額は21兆2947億円で、国別で最も多くなっています。

品目別で見ますと
▽「自動車」:6兆264億円(全体の28.3%)
▽「自動車の部分品」:1兆2310億円(全体の5.8%)
▽エンジンなどの「原動機」:1兆898億円(全体の5.1%)
自動車に関連したものなどが多くを占めています。

このほかの品目では
▽「建設用・鉱山用機械」が8953億円
▽「科学光学機器」が5895億円
▽「半導体等製造装置」が5298億円
▽「重電機器」が4943億円
などとなっています。

アメリカによる自動車への新たな関税措置は3日に発動予定ですが、相互関税の内容によっては、自動車関連以外の品目にも大きな影響が出ることが予想されます。株価急落 今年最大の下落幅に 相互関税発表受け

「相互関税」とは

「相互関税」とは、貿易相手国が高い関税を課している場合、みずからの国の関税も相手国と同じ水準まで引き上げる措置のことです。

トランプ政権は相互関税によって貿易相手国との関税率の差を縮小することでアメリカからの輸出を増やし、貿易赤字の解消につなげるねらいがあるものとみられます。ホワイトハウスはことし2月の発表で、アメリカの関税の水準は世界でみても低いとしたうえで「長年にわたって友好国・敵対国を問わず貿易相手国から不当な扱いを受けてきた。この『相互性の欠如』がアメリカで巨額の貿易赤字が恒常的に続く要因の1つとなっている」と指摘しています。

そのうえで、相互関税の導入にあたっては、貿易相手国の高い関税率だけでなく
▽ヨーロッパ諸国などが導入している日本の消費税にあたる付加価値税
▽アメリカの貿易を制限する規制や補助金、
なども理由になりうるという考えを強調しています。

相互関税に関連し、アメリカメディアは「貿易の文脈で『相互』という用語が使われる場合、過去90年は大抵、貿易の障壁の引き下げを意味してきた」などと伝えています。

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