「日本のヤクザ幹部」、タイで核物質の密売試みた罪で起訴 米当局

 米ニューヨークの連邦検察は21日、プルトニウムなどの核物質を密売しようとした罪で「日本のヤクザの幹部」で日本国籍のエビサワ・タケシ被告(60)とタイ人の被告(61)を起訴したと発表した。核物質のサンプルをミャンマーからタイに運び、米麻薬取締局(DEA)の覆面捜査員に示したとされる。

 エビサワ被告は2022年、麻薬や武器などを不法に売買しようとした疑いで米当局に逮捕・起訴され、現在も拘束が続いている。米当局は起訴状などで「ヤクザの幹部」と表現しているが、日本の暴力団との具体的な関係は明らかになっていない。

 起訴状によると、エビサワ被告は20年初めから、武器密売人を装ったDEA捜査員に対し、「核物質を所持しており、売却したい」という意向を示し、DEA側はイラン軍の幹部を装った捜査協力者への仲介を進めた。捜査員が電話で、イラン政府が「核兵器」のためにウランを必要としていると伝えたところ、エビサワ被告は「分かっている」と答え、「さらに強力」なプルトニウムも提供できると述べたという。

 エビサワ被告はまた、捜査員…