60歳定年後の再雇用で「年収半減」生活どうなる?
=Getty Images
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 メーカーで働くA夫さん(59)は今年6月に60歳となり、6月末で定年を迎えます。会社には60歳定年後の再雇用制度があり、希望すれば1年契約の再雇用社員として、最長65歳まで働くことができます。A夫さんは定年後再雇用を希望していますが、給料がどうなるのか気になっています。

 再雇用で働く先輩社員は「仕事量はそんなに変わらないのに、給料だけ下がった」と愚痴をこぼしています。

 これまでは「給料が下がったとしても、60歳で退職金がもらえるので、なんとかなるんじゃないか」と考えていました。しかし、いざ自分がその立場になってみると、退職金は住宅ローンの一部返済の他は、老後資金とするために手をつけることができません。

 そうなると、減額された給料で大学生の子どもの学費や生活費などを賄うことになります。A夫さんは本当にやっていけるのか不安に感じています。

ボーナスなく年収は半減

 A夫さんの毎月の給料は55歳で役職定年を迎えた際、役職手当(10万円)が外され、基本給(40万円)のみとなりました。給料はそれまでの20%カットです。55歳以降、昇給もなくなりました。

 会社との面談では、再雇用になった場合、基本給(40万円)がさらに30%カットとなり、28万円になるようです。定年前は基本給の4カ月程度が支給されていた賞与は、夏冬各10万円の「寸志」のみになると聞きました。このため年収は半減することになります。

 A夫さんは他社への転職も脳裏をよぎりました。でも、新卒から38年間、今の会社で働いてきたことから、今さら新しい環境に飛び込む勇気はありません。転職したからといって年収が上がる確証もありません。

 そこで定年後、給料が下がった場合に雇用保険制度から支給される給付金はどのくらいなのか、65歳より前に年金を受け取る方がよいのか、A夫さんは気になっています。

高年齢雇用継続給付の新ルール

 2025年4月1日から…