


「解党的出直し」を掲げた自民党が総裁選で選んだトップリーダーは、高市早苗前経済安全保障担当相(64)だった。最大の勝因は党員・党友票での優勢を背景に、最終盤で麻生太郎元首相が高市氏支持の「号令」を麻生派内にかけたことだった。各陣営も追随し、劣勢とみられていた国会議員票を引き寄せた。大敗した参院選総括に「解党的出直し」を明記したことを受けて「#変われ自民党」の標語を掲げたが、際立ったのは旧態依然とした派閥政治が幅を利かせる「変わらない自民党」の姿だった。
勝負を分けた各地の知らせ
「決選投票では党員票の多い方に投票を」
投票を直前に控えた4日昼、党内で唯一、派閥として残る麻生派(43人)の所属議員に一斉に指示が回った。…

2度目の挑戦となった自民党総裁選で、小泉進次郎農相(44)はまたも中盤以降で失速した。前回総裁選の敗因を踏まえ、「聖域なき規制改革」などの持論は封印し、「守り」に徹した。だが、持ち前の発信力が鳴りを潜めたことで党員・党友票は伸びを欠き、議員票離れを招いた。
「私の力不足以外の何ものでもない」
小泉氏は4日夕、投開票後の報告会で力なく語った。
麻生太郎元首相と投票前日の3日に会談が実現し、陣営内では支持への期待が高まった。だが、麻生氏は結局、高市早苗氏の支持に回った。投票直前、麻生氏が高市氏支持の号令をかけたとの情報が駆け巡り、小泉氏は終始険しい表情で開票作業を見守った。
小泉氏を支える閣僚経験者は選挙戦序盤、「小泉氏の支持は『減点法』だ。最初の支持の高さから、どれだけマイナスされないかが勝負だ」と今回の基本戦略を明かしていた。昨秋の総裁選の教訓を踏まえたものだった。選択的夫婦別姓制度の導入、解雇規制の見直しなど改革路線を押し出す攻めの戦略を取ったが、…