
旧憲法においては総理大臣を「各大臣の首班」と呼んでいました。その名残から、国会の総理大臣指名は
現在の憲法下においても「首班指名」「首班選挙」と呼ばれることがあります。
内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名することとされています。この議決は、衆参両院の記名投票で行います。衆参両院で指名の議決が一致しない時は、参議院は両院協議会を求めなければいけません。両院協議会を開いても意見が一致しない場合は衆議院の指名の議決が国会の議決となります。このことは「衆議院の優越」と呼ばれています。


石破氏は選ばれるのか 「首相指名選挙」で知りたい10のこと

この記事の3つのポイント
- 石破首相が再任されなければ戦後最短の政権に
- 自公と国民民主党との「閣外協力」が現実路線か
- 立憲民主党が野党を一枚岩にまとめるハードルは高い
10月27日投開票の衆院選で、15年ぶりに自民・公明が過半数割れに陥った。連立を巡る駆け引きが続く中、次の国政トップを選ぶ「首相指名選挙」の期日が迫る。今、知るべき10のことをまとめた。
1:首相指名選挙とは?
2:新首相はどうやって指名されるのか?
3:いつ実施されるのか?
4:今の内閣はどうなるのか?
5:首相は最大政党から選ばれる?
6:決選投票は衆院で過去にあったのか?
7:決選投票で首相が誕生するデメリットは?
8:自公政権と手を組む可能性がある政党は?
9:野党は首相指名選挙にどう臨む?
10:石破首相が再指名前に辞任するなら?
1:首相指名選挙とは?
首相に関して、「国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」と定めた憲法67条に基づく選挙。衆議院と参議院が本会議で実施する。最大政党の党首選や内閣総辞職の後で開かれる国会で設定され、他の案件よりも優先される。
旧憲法では、首相を「各大臣の首班」と表現していた。その名残で、国会の首相指名は現在でも「首班指名」「首班選挙」と呼ばれることがある。
2:新首相はどうやって指名されるのか?
衆参両院において、ともに記名式で、所属する党や連立政権を組む党のトップに投票し、過半数を得た議員に決定する。10月1日の臨時国会で第102代首相に選ばれた石破茂衆院議員は、衆院で461票のうち291票、参院で242票のうち143票を集めた。
過半数に達した議員がいなければ、上位2人による決選投票になり、多数決で決まる。白票や無効票を投じる議員が多く、決選投票で2人とも過半数に届かなかった場合は、得票が多い側を選出する。
両院で異なる結果になった際は、両院協議会を開いて話し合う。そこでも意見が一致しなければ、「衆院の優越」の原則により、衆院の議決が優先される。自民党が参院で過半数を割る「ねじれ国会」となっていた1989年には、衆院が自民の海部俊樹氏を、参院が社会党の土井たか子氏を指名し、最終的に海部氏が選ばれた。
3:いつ実施されるのか?
衆院の解散で総選挙になると、憲法54条の規定により、投票日から30日以内に特別国会を召集して新しい首相を選ばなければならない。今回は11月26日が期限だ。
投票日から10日前後に招集される近年の傾向どおり、与党は当初、11月7日を想定してきた。しかし獲得議席が過半数を割り込み、多数派工作で野党を取り込む時間を確保する必要が出てきたため、11日に延期する方向になった。