着付け技術を競う全国大会 福井市の50代女性「何歳になってもチャレンジは糧に」

勝負着は母ののこした着物…初挑戦で頂点に

勝負着は母ののこした着物…初挑戦で頂点に 着付け技術を競う全国大会 福井市の50代女性「何歳になってもチャレンジは糧に」

2025年11月10日 午後5時00分

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着物の着付け技術を競う全国大会で最優秀賞を獲得した蓑輪さん=福井県福井市南四ツ居1丁目の「ひめ空間すずや」

 福井県福井市の蓑輪潤子さん(57)が、10月に東京で開かれた着物の着付け技術を競う全国大会の小紋一重太鼓部門で最優秀賞を獲得した。15分間で着付けと帯結びを行い、技術の高さや所作の美しさなどを競った。初挑戦での栄誉に「何歳になってもチャレンジすることは自分の糧になる」と力を込める。

 着付けを習ったきっかけは、母の遺品を整理していたとき、しつけ糸がついたままの着物を見つけたこと。「母がのこした着物を着たい」と、昨年5月から、同市南四ツ居1丁目の呉服店「ひめ空間すずや」の着付け教室に通い始めた。

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 大会は着付け流派の山野流の国際美容協会が主催。小紋一重太鼓部門は全体に柄のある着物を着て、帯を二枚重ねにしない技術を競う。蓑輪さんは腕試しに挑戦した9月の中部大会で優勝し、全国から31人が出場した本大会に進んだ。本大会前には仕事の傍ら、毎晩着付けを練習。勝負着には、約60年前の母の着物を選んだ。「ばたばたせず一手で決まるしぐさ」を心がけ、優雅な雰囲気を目指したという。

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 最優秀賞の獲得を「驚きしかなかった。まさか自分が選ばれるなんて」と振り返る。今後は他の人への着付け技術を磨きたいといい、着付け講師の資格を得られる試験に挑戦する。