怒るよりも投票に行こう――。サイゼリヤの堀埜(ほりの)一成社長は14日の決算会見で、コロナ禍で苦しい飲食業界の意向が政策に反映されない理由として関係者の「投票率の低さ」を挙げた。今秋までにある総選挙で投票に行くよう、従業員に呼びかけたという。
堀埜社長は、酒類の提供をやめさせようとした政府の一連の対応について、「もう一回怒るべきなのか、ちょっと冷静になって考えてみようと思う。こういう状況をつくったのは政治家だけなのか。実は我々にも責任があるんじゃないか」と述べた。
その上で、「みんながあきらめる、面倒くさくなって投票に行かない。非常に大切な権利である選挙を放棄していないか」との考え方を示した。政治家に飲食業界に向き合ってもらうためにも、選挙で投票をするよう従業員に提案した。
同社では毎週、約2万人の従業員向けに社長のメッセージを漫画形式で発信している。13日付のメッセージでこうした内容を盛り込んだという。
ネットで与党に投票しないよう呼びかける動きがあることについては、「いま必要なのはみんなを扇動していくことではなく、意思表示をして権利を使っていこうということだ」などとして距離を置いた。(高木真也)