“小沢王国”執念の雪辱 後援会「最後の戦い」 政権交代へ気炎

毎日新聞2024/10/29 13:26(最終更新 10/29 18:46)有料記事1848文字

演説を終え、支援者らに手を振る小沢一郎氏=岩手県一関市で2024年10月20日午後1時51分、釣田祐喜撮影
演説を終え、支援者らに手を振る小沢一郎氏=岩手県一関市で2024年10月20日午後1時51分、釣田祐喜撮影

 岩手県奥州市のホテル。午後8時過ぎにテレビなどが「当選確実」を一斉に報じると、集まった人々が一瞬で笑顔になって立ち上がり、大きな拍手と歓声に包まれた。中には目を潤ませる長年の後援者の姿もあった。

 27日に投開票された衆院選の岩手3区は立憲民主党前職の小沢一郎氏(82)が、2021年の前回選で奪われた小選挙区の議席を取り戻した。前回と同じ顔ぶれとなった自民党前職の藤原崇氏(41)に約3万票差を付けての完勝だった。

 小沢氏本人は立憲の総合選挙対策本部本部長代行を務め、地元を不在にしがち。代わりに選挙戦の主力となったのは、かつて「小沢王国」と呼ばれたほどの基盤を築いた後援会だ。

 前回は比例復活に甘んじたこともあり、後援会組織の弱体化がささやかれたこともある。そんな懸念を払拭(ふっしょく)し、相手陣営をねじ伏せるような戦いぶりだった。

 この3年間、岩手3区に何が起きていたのか。

後援会を奮い立たせたある思い

 「若返りを、という思いはあっても、役員を変える組織作りは実際には…