
参院選が終わり、大きな笑みを浮かべた人物がいた。
参政党の神谷宗幣代表(47)だ。改選議席が一つしかなかった党は14議席を取り、結党5年にして大きく勢力を伸ばした。
そんな党を何年も見つめ続け、今の姿に複雑な思いを抱く2人がいる。
結党時の主要メンバーで党名の名付け親でもある政治系ユーチューバーのKAZUYA(カズヤ)氏(37)と、党の集会に入り込むなど3年以上にわたって注視し続けてきたライターの黒猫ドラネコ氏だ。
立場の異なる2人が、口をそろえて語る参政党の「本質」がある。
「党勢を広げるために陰謀論を取り入れ、もはやそれを拭えなくなった保守の集まりですよ」

「操られた世界」語り、コロナ禍に台頭
スクリーンに映し出された図には「世界の支配構造」とあった。5年前、党による市民向け有料講座の一コマに、スタッフとして居合わせたカズヤ氏は驚いた。
「国際金融資本が世界を牛耳っているとかいう陰謀論でした。そんなものを、どうして高い金を払っている受講者に語るんだろうって」
2013年から8年近く神谷氏と行動を共にし、一時は理念を共有した。だが21年1月、党を去った。「党内に陰謀論を語る人が増え、無理でした」と振り返る。
一方の黒猫氏が参政党に注目したのは22年春だ。元々、カルトや科学的根拠に乏しいスピリチュアル系の団体を追っていた。「怪し…