「過疎地の復興はムダ」「移住を考えよ」

財務省財政審が能登半島地震の被災者に言い放つ「許しがたい棄民思想」

「過疎地の復興はムダ」「移住を考えよ」…財務省財政審が能登半島地震の被災者に言い放つ「許しがたい棄民思想」

藤井 聡

京都大学大学院工学研究科教授

プロフィール

「被災地の多くが人口減少局面にある」から!?

今日は、南海トラフ地震の「注意」情報についてさらに書こうと思っていたのですが、目を疑うようなトンデモナイニュースが飛び込んできました。

「能登の復旧・復興『コスト念頭』 財務省、被災地は人口減」
――財務省は9日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、能登半島地震の被災地の復旧・復興は「将来の需要減少や維持管理コストも念頭に置き、住民の意向を踏まえ、十分な検討が必要だ」と訴えた。「被災地の多くが人口減少局面にある」ことを理由に挙げ「過去の災害の事例も教訓に集約的なまちづくり」を提言した。復興が本格化する中、無駄な財政支出は避けたいとの立場を明確にした。――

要するに財務省の財政審議会は、

 「過疎地の復興は無駄」

だと断じ、

 「そんな過疎地に住んでいた人間は移住しろ」

と言っているわけです。