最後の対局を終えた中座真八段の言葉。

「野月さんとは小さい頃から研究会でもよく指してきたので、今日は何をやってくるのかな、何やっても作戦負けだろうなあと思って……。懐かしい8五飛を指されて、さすがにうまいなあと思いました。久しぶりに指して楽しかったですね。内容はずっと難しくて分からなくて、いつの間にか悪くなっていた感じでした。野月さんと当たるのはちょっとビックリして、対局がついたからには頑張ろうと思いましたけど、野月さんは強かったですね。(8五飛戦法は)升田幸三賞という名誉をいただいて、有り難いなと思います。8五飛は何度も言われるので、将棋人生の大きな一部だったのかなと思います。野月さんのおかげですね」 一枚の写真から始まった宿命の新戦法 引退する中座さんと僕の最終戦:朝日新聞デジタル https://asahi.com/articles/ASS6L41HKS6LUCVL03YM.html…

引退する54歳の中座八段「8五飛は棋士人生の大きな財産」…言葉を受けた野月八段は涙止まらず「目標の先輩」<竜王戦4組残留決定戦・中座真八段-野月浩貴八段>「楽しかった」の言葉に野月八段の涙腺は崩壊。中座八段は将棋会館を去りました。詳報記事は読売オンラインで↓ https://yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20240619-SYT8T5483092/

竜王戦4組残留決定戦・中座真八段-野月浩貴八段戦は野月八段が104手で勝利しました。5月に引退届を出していた54歳の中座八段。現役最後の一局となりました。

横歩取り8五飛戦法の創始者・中座八段の引退局…同郷の野月八段は「中座飛車」採用し、盤上で万感の思い示す<4組残留決定戦・中座真八段-野月浩貴八段>

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 昨年12月に休場明けの対局を経て、今春に中座八段は引退を決断。ラストの棋戦となった本局では、立ったり、座ったりが苦しそうでしたが、鋭い眼光で考え抜いていました。横歩取り8五飛戦法の創始者が中座八段。そして「中座飛車」を世に広めたのが野月八段です。本局で後手番の野月八段は△8五飛と「中座飛車」を採用しました。阿吽の呼吸です。

感想戦を見守る谷合四段と廣森三段

 じっくりとした駒組みが続いた中盤戦で中座八段は腕力を発揮。左右の桂馬を跳ねて模様を主張しました。弟子の谷合廣紀四段が見守った対局。「最後の一戦で、師匠はまったく緩みのない指し回し。感銘を受けました」と話しました。中座八段が有利で迎えた終盤の入り口で、野月八段は△5五銀のぶつけなど勝負手を連発。逆転で白星を手にしました。

 局後、中座八段は「野月さんに△8五飛を指してもらって教わろうと思った。(引退が)まさかこんな形になるとは。いろいろな方に言われるので、△8五飛は棋士人生で大きな財産です」と話しました。野月八段は「ずっと目標としていた先輩。一生懸命指しました」と語り、「楽しかった」と中座八段の言葉を受け、涙が止まりませんでした。中座門下の谷合四段、廣森航汰三段が感想戦を見守りました。(吉田祐也)

https://www.yomiuri.co.jp/kifu/s/6666afe57d3f876f9c3dcbb1

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