戦後80年、日本人も「日本は悪者」の洗脳から覚醒してはどうか

GHQによる洗脳の手法は、〝敵〟ながらなかなか見事というほかない。学者や教師、評論家に加え、マスコミまでも使って「悪いのは日本人である」とのプロパガンダを、学校教育を含め多方面で展開していった。

戦後80年、日本人も「日本は悪者」の洗脳から覚醒してはどうか

神奈川・厚木飛行場に降り立ったマッカーサー連合国軍最高司令官。GHQによる統治が行われた=昭和20年
神奈川・厚木飛行場に降り立ったマッカーサー連合国軍最高司令官。GHQによる統治が行われた=昭和20年

江戸の銭湯を舞台に庶民の日常の生態を活写した式亭三馬の『浮世風呂』には作者の巧みな宣伝手法が読み取れて楽しい。以下は女湯での会話の一部である。

江戸の水

「延寿丹という練薬を食べているせいか達者になりました」「名高い薬で、私も暑寒には食べます。あれは一丁目で売ってましたっけ」「今は二丁目の式亭で売ってます」「近頃流行の『江戸の水』とかいう白粉のよくのる薬を出している店かしら」「ハイ、娘も『江戸の水』が良いと申して使ってます。顔のできものも治りました」…。現代語に直せばざっとこんなふうで、戯作執筆の傍ら日本橋本町二丁目で薬店を営み、「延寿丹」や「江戸の水」を販売する三馬が、自身の作品にもちゃっかりと商品の宣伝を潜り込ませたのである。術中にまんまとはまった女性が多かったのか、とりわけ「江戸の水」は評判を呼び、三馬は大いに儲けたようである。