「結び」という言葉に込められたストーリー

日本の「結び」という概念は、古来から祈りをその場にとどまらせたり、結界のようなチカラがあると考えられていました。

日本神話では、一番最初に世界を創造する「造化三神」というとんでもない神様が登場するのですが、三柱の神様のうち二人の名前に「むすび」という字が入っております。 しかも、そこに当てられた漢字が「産霊(むすび)」という字なんですね。

霊を産むと書いてむすび。 このむすびの名を持つ神様が原初の神々を産んでいくのですが、「むすび」には新たな神を生み出すチカラがあったと考えられていたわけです。

※ちなみに息子、娘の「むす」も男女の結びによって授かるから「むす」始まりなんだとか さらに!むすびの「むす」は、君が代の歌詞にもある「苔の生(む)すまで」のむすと根が同じ意味で、 この言葉の中に、長い年月の経過が表現されているわけです(すごい!) つまり、産霊(むすび)の力によって産まれたこの世界は神々の祈りによって誕生し、 長い時間かけて成熟、発酵して形作られていったということですね。

一つの言葉の中に何重にも意味を重ねた古代日本人のポテンシャルが凄すぎる。 そう考えると「おむすび」というネーミングを、お米を手で握るシンプルな食べ物に与えたのも相当深い意味がありそうですよね。

一説によると、饒速日(これまた一説では徐福)の子孫は物部で武士(もののふ)の語源になったと言われています。 つまり、饒速日の時代あたりから戦争がめっちゃ増えたわけですね。

その頃から戦うための力強いエネルギーを込めたのが「おにぎり(握り)」となり、ニギハヤヒの神名が語源になったとも言われています。 なんか子どもの頃は普通にスルーしてたけど、日本語の奥が深すぎるな。。