「こんな河川敷のグラウンドから世界一のエースが生まれるなんて」

山本由伸の地元、快挙に沸く

 米大リーグのワールドシリーズは、山本由伸投手(岡山県備前市出身)らの活躍で、ドジャースが逆転で制した。試合後のインタビューで「野球少年に戻ったような気持ち」と語った山本投手。少年時代を過ごした地元では、市民らがその快挙を喜び、「世界一の投手」をたたえた。

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 山本投手は1日(日本時間2日)の第7戦で、先発した前日に続く連投で同点の九回途中から救援し、勝利投手となった。シリーズ3勝を挙げ、最優秀選手(MVP)にも選ばれた。9回途中から登板し、無失点に抑えた山本投手(カナダ・トロントで)=飯島啓太撮影

 山本投手が中学時代に所属した硬式野球チーム「東岡山ボーイズ」(岡山市)の藤岡末良会長(78)は、チームの練習中に快挙を知った。「こんな河川敷のグラウンドから世界一のエースが生まれるなんて考えもしなかった。子どもたちにも『僕もダイヤの原石になる』と思って頑張ってほしい」と話した。ワールドシリーズを制してMVPに選出され、トロフィーを掲げる山本(中央)(2日、カナダ・トロントで)=飯島啓太撮影

 山本投手が幼い頃から家族で通い、今年1月にも来店したという備前市の焼き肉店「春山」の春山静江さん(74)は「小柄だった山本君が、ここまで大きく成長して本当にうれしい」と感慨深げ。春山晃利店長(49)は「今日も絶対に抑えてくれると思っていた。エースとして、来年もシャンパンファイトを見せてほしい」と語った。サイン入りユニホームや写真などが壁一面に掲げられた「大阪屋食堂」の店内(備前市で)

 山本投手のサイン入りユニホームや写真などが並ぶ同市の「大阪屋食堂」。山本投手が小学生の頃に通ったといい、田中雅裕社長(40)は「期待はしていたが、MVPまで取るなんて。地元の誇りであり、奇跡だ」とたたえた。山本投手と同じ少年野球チームに所属したことがある従業員の大取祥太朗さん(31)は「世界で活躍する選手が生まれて、誇らしい気持ち」と喜んだ。