

スマートフォン1台で遊べる手軽さから、試しに賭けてみた。
東京都内の男性(29)は2021年1月にオンラインカジノで賭博を始めた。きっかけはユーチューブで、偶然見かけたオンラインカジノの動画だった。
「グレーゾーンだろう…」
ラジオでも、オンラインカジノの事業者がスポンサーになった番組を耳にしたことがあった。「(違法ではない)グレーゾーン」と考えた。
初日に賭けたのは計5万円。ブラックジャックやスロットの賭けは数秒で勝敗が決まり、何度も繰り返し賭けるようになった。給料日には手持ちの金をすべてつぎ込み、朝まで遊び続けることもあった。
学生時代から競馬や競艇などのギャンブルが好きだった。「何か新しいことをしてみようという思いつきだったが、気がついたら抜け出せなくなっていた」。2カ月で消費者金融から借金をするようになり、返済に困るとヤミ金にも手を出した。
2000万円の借金
「借金を返すためには、負けた分を取り返さないといけない」。そう思い込み、さらにのめり込んだ。仕事中もスマホを片手に賭け続け、ついには勤務先から資金を引き出そうとした不正が発覚。自主退職を余儀なくされ、職を失った。
スマホの通信料金が滞ると、商業施設の公衆Wi―Fi(ワイファイ)を使ってまで続けたが、それ以上借金を重ねられず24年1月にやめた。約3年間で抱えた借金は2000万円ほどに上っていた。
現在は公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」(東京都)の支援を受け、生活保護を受けながら更生に努める。「オ…