石破茂氏が悲願の総理総裁に 自民党総裁選、決選投票で勝利

【開票速報】自民新総裁に石破茂氏 高市氏を抑え選出

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2024年9月27日 15時24分 自民党総裁選

自民党総裁選挙は、1回目の投票でいずれの候補者も過半数に届かず、決選投票の結果、石破元幹事長が215票、高市経済安全保障担当大臣が194票で、石破氏が高市氏を抑えて新しい総裁に選出されました。

決選投票前に2人が演説

高市氏「私たちの国 成長していかなければ」

1回目の投票で1位となった高市氏は、決選投票の前の演説で「女性である私が決選投票に進ませてもらったことは、自民党にとっても日本にとっても歴史的な瞬間だ」と述べました。

その上で「私たちの国は成長していかなければならない。どこに住んでいても安全に暮らすことができ、必要な医療や福祉、質の高い教育を受けられ、働く場所がある日本列島を一緒につくり、次の世代に受け渡していこう。国でも地方でも選挙に勝ち続ける自民党をつくっていこう」と呼びかけました。

石破氏「国を守っていく 国民を守っていく」

1回目の投票で2位となった石破氏は決選投票の前の演説で「今回の総裁選挙は、岸田総理大臣が自民党に対する多くの不信にけじめをつけるため、みずから身を引いたことに大きな要因がある。岸田総理大臣の3年にわたって内政と外交で果たしてきた大きな功績に心から敬意を表する」と述べました。

その上で「安全保障に長く携わってきた。国を守っていく。そして国民を守っていく。一人一人が幸せを実感できる、安心と安全を実感できる、もう一度、一人一人に笑顔が戻ってくる日本を必ずつくっていく。日本国のために全身全霊を尽くしていく」と訴えました。

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1回目の投票結果は

自民党総裁選挙は、高市経済安全保障担当大臣、小林鷹之氏、林官房長官、小泉進次郎氏、上川外務大臣、加藤元官房長官、河野デジタル大臣、石破元幹事長、茂木幹事長の9人が立候補し「国会議員票」368票と「党員票」368票のあわせて736票をめぐって選挙戦を展開してきました。

27日は午後1時から党本部8階のホールで国会議員の投票が行われ、26日までに党員・党友が郵便などで投票した「党員票」とあわせて開票結果が発表されました。

それによりますと、有効票735票のうち、
▼高市氏が国会議員票72票、党員票109票のあわせて181票、
▼石破氏が国会議員票46票、党員票108票のあわせて154票、
▼小泉氏が国会議員票75票、党員票61票のあわせて136票、
▼林氏が国会議員票38票、党員票27票のあわせて65票、
▼小林氏が国会議員票41票、党員票19票のあわせて60票、
▼茂木氏が国会議員票34票、党員票13票のあわせて47票、
▼上川氏が国会議員票23票、党員票17票のあわせて40票、
▼河野氏が国会議員票22票、党員票8票のあわせて30票、
▼加藤氏が国会議員票16票、党員票6票のあわせて22票となりました。

この結果、9人の候補者のいずれも過半数を獲得できず、1位の高市氏と2位の石破氏の上位2人による決選投票が行われることになりました。

決選投票は、国会議員の1人1票と各都道府県連に1票ずつ割り振られた47票の、あわせて415票で争われます。

各都道府県連の1票は党員投票の結果に基づき、上位2人のうち得票数が多い候補者が自動的に獲得する仕組みです。

決選投票は終了後直ちに開票され、夕方までには結果が発表される見通しです。

  • 注目

都道府県ごとの党員・党友の得票数を地図と一覧表で

※上下左右に動かしてご覧ください

https://www3.nhk.or.jp/news/special/primeminister_2024

NHKの取材で、午前11時40分現在「党員票」の状況が把握できている12の道県の結果を集計しました。
▼高市経済安全保障担当大臣が5万2267票で得票率はおよそ29%。
▼小林鷹之氏が8556票で得票率はおよそ5%。
▼林官房長官が1万3245票で得票率はおよそ7%。
▼小泉進次郎氏が2万8510票で得票率はおよそ16%。
▼上川外務大臣が7518票で得票率はおよそ4%。
▼加藤元官房長官が1198票で得票率はおよそ1%。
▼河野デジタル大臣が2416票で得票率はおよそ1%。
▼石破元幹事長が5万6188票で得票率はおよそ32%。
▼茂木幹事長が8639票で得票率はおよそ5%となっています。NHK+ ニュース「自民党総裁選 投開票」9/27(金) 午後1:00-午後3:50
配信期限 :10/4(金) 午後3:50 まで

投開票の仕組み・スケジュールは

今回の選挙は国会議員1人1票の「国会議員票」368票と全国の党員・党友による投票で配分が決まる「党員票」368票のあわせて736票で争われます。

このうち党員票は27日午前から各都道府県連で開票作業が行われていて、党本部に順次、結果が報告されているとみられます。

このあと午後1時からは、党本部8階のホールで国会議員による投票が行われ、党員票とあわせて開票結果が発表されます。

1回目の投票では、いずれの候補者も過半数に届かず決選投票にもつれ込むのは確実な情勢です。

決選投票は議員票368票と各都道府県連に1票ずつ割り振られた47票のあわせて415票で争われ、今回は投票前に2人による演説が新たに行われることになっています。

そして午後4時ごろまでには結果が発表され、新しい総裁が選出される運びです。

新しい総裁はただちに臨時の役員会や総務会で党役員人事の一任を取り付け、午後6時をメドに党本部で記者会見し、今後の政権運営などについて自らの考えを明らかにする見通しです。

党員・党友票 開票作業始まる

札幌市内では午前9時すぎから北海道の党員らを対象にした投票の開票作業が始まりました。

自民党北海道連は道内の党員・党友あわせて3万8700人あまりを対象に郵送による投票を行い、27日午前9時すぎから札幌市内のホテルで開票作業が始まりました。

会場では担当者らが郵送で届けられた投票用紙を1枚1枚確認し、候補者の名前ごとに振り分けていました。

投開票を前に 候補者は

高市氏「思い残すことない 天命を待つ」

高市経済安全保障担当大臣は27日午前、国会内で記者団に対し「仲間とともに自分自身も精一杯力を尽くしてきた。思い残すことなく活動してきたのできょうは天命を待つということだ」と述べました。

一方、記者団から、麻生副総裁がみずからの派閥の所属議員に高市氏を支援するよう指示したとする報道が出ていることについて問われ「もしそういうお心遣いをいただいたのであれば大変光栄だ。皇室典範などについて考えが非常に近い元総理大臣だと思っている」と述べました。

小林氏「最後まで力を尽くす」

小林鷹之氏は午前、国会内で記者団に対し「9人の候補者の中で知名度という意味では一番下からのスタートだったが、世界をリードする日本をつくるという思いひとつで立候補し、全力で走ってくることができた。最後の最後までしっかりと結果を出すべく力を尽くしていきたい」と述べました。

一方、党内で旧派閥単位でまとまった行動をとろうとする動きがあることについて「自民党と日本が置かれている状況は非常に厳しいということを1人1人の国会議員が自覚した上で投票行動をとることが求められている」と述べました。

林氏「人事を尽くして天命を待つ」

林官房長官は午前9時半ごろ、東京 赤坂の議員宿舎で記者団に対し「閣僚として危機管理という仕事もあったが仲間の議員や秘書に本当に支えてもらい戦いを進めてこられた。最後の最後までしっかり戦い抜きたい。『人事を尽くして天命を待つ』という心境だ」と述べました。

小泉氏「最後まで誠心誠意伝える」

小泉進次郎氏は「投開票日を迎えたが、まだ数時間ある。1人でも多くの議員に自民党を改革し、ともに国民のために働きたいと思ってもらえるよう最後の最後まで誠心誠意、思いを伝え続ける。なんとしても勝利したい」というコメントを出しました。

上川氏「泰然自若 ギリギリまで粘り強く」

上川外務大臣は8時半すぎ、都内で記者団に対し「泰然自若という言葉があるが、自然体で今回の総裁選に臨んだ。1回目の投票がとにかく勝負なので、それに向かって全身全霊を込めて動いていくのみだ。最後の追い込みで、ゴールギリギリまで粘り強く運動していきたい」と述べました。

加藤氏「最後まで賛同得る努力」

加藤元官房長官は9時ごろ明治神宮に参拝したあと、記者団に対し「総裁選挙を最終日まで戦い抜いてこられたことに感謝を申し上げた。いま振り返ってみるとあっという間だったが、やり残したことはまだまだたくさんある。最後まで1人でも多くの賛同を得るべく努力をしていきたい」と述べました。

河野氏「最後まで政策訴える」

河野デジタル大臣は午前、閣議のあとの記者会見で「安全保障や財政、孤立・孤独の問題や老後の不安などの有事について訴え、改革を実現してきたことに賛同をいただいてきたと思う」と述べました。

その上で「総裁選挙の勝利を目指して、最後までしっかりと政策を訴えて頑張っていきたい」と述べました。

石破氏「日本のために必ず勝つ」

石破元幹事長は午前、みずからの陣営の会合で「これ以上ない支援をいただいてきたので必ず応えていく。われわれのためではなく、日本のために、次の時代のために、この戦いは必ず勝たねばならない」と述べました。

そして石破氏に「必勝」の文字が書かれたパンが贈られました。

このあと石破氏は記者団に対し「すべての国民が安心して暮らせる。一部の人のための政治ではなく、困っている人や苦しい人の思いに届くような政治をしていきたい」と述べました。

一方、旧派閥単位でまとまった行動をとろうとする動きがあることについて「かつては『派閥で決めたから』ということだったが、今回はそれぞれの議員の思いが問われる選挙だ。政策や、自民党をどうしていくかということで決めるのではないか」と述べました。

茂木氏「希望持てる日本に」

茂木幹事長は午前11時ごろ、国会内で記者団に対し「本当にチームが一丸となってよい戦いができたと思っている。支えてくれた多くの党員や議員、スタッフにも感謝したい。一人ひとりが活躍でき、誰もが将来に希望を持てる日本に向けてこれからもしっかり活動していきたい」と述べました。

また、決選投票では旧茂木派としてどう対応するのか質問されたのに対し、「ここまで一緒にやってきたので、一緒に行動できればと思う」と述べました。