算命学は中国四千年の叡智
中国古代王朝である殷王朝の遺跡に六十花甲子表(六十干支表)が書かれていたことから、この時代には暦術が確立していたことになり、陰陽五行説と十干十二支が存在していたことを意味します。
そのため、算命学の発祥は約四千年前だと言われています。
算命学の開祖は鬼谷子(きこくし)
殷王朝から千年ほど経った頃、中国の戦国時代に鬼谷子(きこくし)と言う縦横家が活躍しましたが、その鬼谷子が算命学の開祖と言われています。
縦横家とは、中国古代の思想家たちで、諸子百家の一つ。外交の策士として各国の間を行き来した人たちのことWikipedia
鬼谷子から受け継がれていった算命学は、運命学の正統派として認められるようになり、王朝内で門外不出の秘技とされていました。
しかし、時代の流れとともに算命学の一部が門外に流出し、そこから色んな占いが派生していったとされています。今では有名な四柱推命や九星気学、周易など、東洋発祥の占いはほぼ算命学から派生していったものなのです。
それらの占いは、部分的に流出した算命学の一部を切り取って生み出されたものなので、理論などがはっきりしないまま色んな技法が付け足されており、表面的な運勢しか見れなかったりします。
算命学は思想と理論がしっかりしているため、学習する全ての人々を納得させることができ、最近では「プロの占い師が最後に行き着くのは算命学だ」と、高く評価されるようになりました。
算命学は認知されるのに時間がかかった
算命学は運勢を立体的に占うため他の占いよりも奥が深く、奥義も数えきれないほどあるため、学び終えるのにも莫大な費用と時間がかかります。他の占いよりも学習するハードルがとても高いからか、世の中に知れ渡るまでに四柱推命や西洋占星術よりも時間がかかった印象です。
近年は、インターネットの普及により、専門的な知識が以前より手軽に調べられるようになり、一般の人の占いリテラシーもどんどん上がってきています。そんな中で、流行る占いの根本原理をたどると、大抵、算命学の一部が土台になっていることが多く、そのことが少しずつ世の中に知れ渡るようになりました。
例えば、動物占いは十二大従星を元にしています。
細木和子さんの六星占術やゲッターズ飯田さんの五星三心占いは天中殺を元にしています。
星ひとみさんの天星術占いは六十干支を元にしています。
算命学は年・月・日で四柱推命は年・月・日・時間
算命学は生まれた年・月・日の3つの柱の干支を元に占いますが、四柱推命は年・月・日・時間の4つの柱の干支を元に占います。
パッと見、時間まで考慮する四柱推命の方が運勢を詳しく見れるんじゃないか?と思われがちですが「算命学の歴史」で説明したとおり、そもそも、四柱推命は算命学から派生して作り上げられた占いです。
では、なぜ算命学は生まれた時間を考慮しないのか?ですが、それは、天(宇宙)地(地球)の関係において、二つの接点になるのが地球の自転であると考えたためです。
地球の自転は一日かかるので、その一日が最小単位としています。一日を分割した“時間”は宇宙との接点ではないと考え、算命学では“時間”を使用しないのです。
算命学は時差を考慮する必要がない
算命学は、宿命の最小単位を一日にしているため、世界規模で考えたときに、時差による日付変更を考慮しなくてもいいと考えます。
西洋における法の目的は「個人や特定の団体の権利を行使できる範囲を規定すること」ですが、一方、東洋における法の目的は「国や特定のコミュニティを収めるために、個人の道徳心や良心を優先されるようにすること」です。
Vol.36【東洋と西洋の法律の違い?「法規範説と労働契約説」】e4510.jp(いい仕事ジェーピー)
上記思想から、干支歴は、東洋だけのものでも特定の国のものでもなく、それぞれの国の日付に準じて効力を発揮させればいいと考えられています。
それぞれの国に干支歴を移動させて、その国の年月日から宿命を算出すればいいので、干支歴は世界に通用する暦なのです。
私はこれまで「干支歴は日本や中国などのアジアの一部でしか使えないものか?」と勘違いしていましたが、朱学院の書物で上記考えに触れたことで、算命学で色んな人を占うことができることを嬉しく思いました。